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【朗読を哲学する2】半年間のワークショップを前に(高階記)
2017年 07月 01日 (土) 22:58 | 編集
2017年7月2日。
草加市「歌のダンスのファンタジーIX」の朗読のワークショップが始まる。
初回は、自己紹介で時間が終わってしまいそうだけれど、どういう半年間になりそうか、できれば共有したい。そのことを書く。

もっとも、半年間かけて積み重ねていくことはあまりにも多いので、初回に何もかも話しても混乱するだけだ。だからできるだけシンプルに絞り込んで、しかも長持ちすることを伝えたい。ただ絞り込むためにも伝えたいことを思いつくままにだーっと総ざらえしておきたい。

書きながら考える。なにしろ「朗読を哲学する」のだ。思考を巡らし続ける奇跡を全部残してしまおう。

(1)よく聞くこと
これは朗読に限らず、俳優の演技全般に共通することなのだが、「よく聞く」ということはたぶん半年間言い続けることになるだろう。「声の出し方を教わりに来たのに聞くってどういうことだ?」と思う人も出てくるだろうけれど、これは基本だと考えている。ぼく自身がそんなに実践できていないので、この半年で自分自身の訓練の目標ともしたい。

わかりやすい例として、7月2日に聞いた声が、12月24日にどう変わっているか、これはポイントだ。だから、7月2日のみんなの声をとても大事に聞きたいと思う。


(2)自分の声から始めること
経験があって器用な人は声色を使ったり、テクニカルにいろいろなことができると思う。それはそれで大事な武器なのだが、せっかく半年もかけるので、今できることに止まってはもったいない。したがって、経験者のみなさんはいったん自分の得意技のことは忘れて振り出しから一歩ずつ新たな声を探して欲しい。

ビギナーはもちろん半年かけて今はまだ出せない声を見つけることになる。その際にも作り声や声色でそれっぽくするのではなく、今の自分の声を出発点に見つけていくようにしたい。毎回ほんのちょっとでも何かが変われば嬉しい。少し大きな声が出せた。小さくてもよく通る声が出せた。少し高い声が出せた、低い声が出せた。音がはっきりしてきた。わざともごもごできた。すごく早口でしゃべれた。スローでもしゃべれた。同じセリフにいろんな意味をつけられた。なんでもいい。前回はできなかったこと、思いつかなかったことが一つでも二つでも増えれば万々歳。半年後に振り返った時、7月2日の自分からは思いがけないくらいいろんなことができるようになったなと思えるといい。


(3)楽器としてのからだ
声を出す、というとどうしても「口のこと」「喉のこと」と思いがち。せいぜい「肺を使うこと」どまり。でも実際にはそれだけじゃない。立っているか座っているか、前のめりか踏ん反り返っているか、体を捻っているか、顔の向きはどうか、そして重心の位置はどうなっているか、気持ちはどうなっているかで出てくる声は全然違ってくる。全身を楽器だと考えるようにしたい。そしてその楽器は基本、けっこう調子っぱずれで調律が必要。楽器そのものの状態を良くすることも大事で、それは筋力や柔軟性の問題だったりする。調律に関して言うと、とにかくいろいろ試して使いこなして何ができるか、どうできるかを探り続けることでしか見つからない。半年間これをやり続けることになる。発見に次ぐ発見だといい。


(4)どう読むかは決まっていない
ストーリーがあって、キャラクターがいて、それに沿ったテキストがあって、作者がその場にいるので、どのことばをどう読むかについて、作者が書いた時点のイメージは当然ある。おおまかな方向は決まっている。けれどもこれがシナリオの面白いところだが、実は全く同じことばでもさまざまな意味をつけることができる。「ありがとう」の5文字で感謝を伝えるのは字義通りとして、愛も告白できるし、軽蔑の念を表すこともできる。失望や殺意だって込められるし、秘めた恋や別れの挨拶にもできる。音楽劇全体の中で採用されるかどうかは総監督次第だが、我々にはテキストを自由に遊ぶ権利があるし、そこから出てくる思いがけない発見を味わう楽しみがある。


というわけで、からだ=楽器を重視し、頭ではなく、からだでいろいろ試しながらテキストの解釈を深めるということをしたい。声に出すことの面白さ、からだという楽器から思いがけない声がどんどん出てくる喜び、そういったものを味わい尽くしていきたい。そしてそれはあれこれ試しながら繰り返し繰り返し極めて身体的に取り組むことの中で実現することになるはずだ。

半年が過ぎるころ、読解力、表現力、粘り強さ、自己主張する力と全体の中で調整する力が身についているはずだ。
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