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量的拡大から質的向上へ(2016年への助走①より)
2017年 12月 28日 (木) 08:56 | 編集
2年前の年末に「2016年への助走」と題して書いたものが、いまなお古びていなかったので転載する。
 
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以前に、2年ばかりロッカクLLC鎌倉市観光協会のウェブサイトのリニューアルや運営をお手伝いしたことがある。観光協会のお手伝いというと、素人考えには「観光客数の拡大」みたいなことを考えてしまうわけだが、それはまったくの勘違いで、鎌倉市においては「これ以上観光客数を増やすことは考えなくていい。観光客と住民と地元の観光業者の三者にとっての“観光体験”のあり方、質を上げる段階にある」というのだ。
 
たぶん観光関係者の間では、成熟期段階の観光地においては、こんなのはとっくの昔に当たり前の議論だったのだろう。けれども、2011-12年ごろのぼくの頭にとっては、考えたこともない、とても新鮮な考え方だった。
 
(とはいえ、いま調べたら、その当時年間1800万人程度の観光客がいて、これ以上増やす必要はないと言っていたのに、2013年度には約2300万人、若干減った2014年度も約2200万人と2〜3割増えている! これは2013年の世界遺産登録関連で注目を集めた結果だとは思うが)
 
ビジネスビジネスした頭で考えると割と素朴に「量的拡大を目指すんですよねっ!」となってしまうのだけれど、鎌倉市が掲げていた「質的向上」というのは重要なキーワードだと思う。
 
特に日本のように、製品やサービスのクオリティは洗練されていて、いわゆる高度成長も終え、バブルの洗礼も受け、これから人口が減少する(消費者が減少する)国で、高度成長期を夢見るような量的拡大を目標に掲げるのは的外れだと言える。
 
国内マーケットの中で成長したいなら、いまはまだ存在しないマーケットを創造するか、既存の飽和したマーケットの奪い合いをするかのどちらかしかない。
 
(成長途上の海外マーケットに進出する場合は話は別だが、そちらはむしろ一昔前の日本で起きた歴史から学べるはずなのでここでは省略する。それも長い目で見れば海外の成長市場でもいずれ同じことが起きるので、まずは世界で先陣を切って少子高齢社会となり成熟段階に突入した日本を例に考える)
 
「いまはまだ存在しないマーケットの創造」は口で言うのは簡単だが、そうやすやすとできるものではない。ただし、そのために新製品・新サービスを生まなければできないかというと、必ずしもそうではない。いますでにある製品やサービスの意味づけを変える、視点をずらす、光の当て方を変えることで劇的に生まれ変わらせることができる、かもしれない。そのような新しい価値観やコンセプトの発見がキモになる。
 
「飽和したマーケットの奪い合い」については、もうすでに誰もがその真っ最中なので、新しく付け加えることもないが、実を言うとこれも上の「新価値観やコンセプトの発見」がポイントになる。なぜなら日本の製品やサービスのクオリティで、どんなにスペック競争をしても消費者から見ればほぼ「大同小異」で、本当のところ差なんてわかりっこないからだ。その結果、低価格競争の泥沼にはまって、あらゆる製品・サービスがコモディティ化する、なんて議論は耳タコ状態だ。
 
そうではなく、その製品サービスが提供する価値は何なのかを、「何を今更」とか言わずに、原点に立ち返って洗い直して、当たり前すぎて見逃している価値を再発見して、別なカテゴリの別なマーケットを生むことがチャンスを生み出すのだ。いわば価値の質的向上である。スペックを付け加えたりするような量的拡大ではなく。
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